読断片日記

仕事柄、1冊丸ごとより断片をよく読むので、その中で印象に残ったもののメモ代わり。

【読断片】香山リカ『14歳の心理学』

【断片の要約】

「コミュニケーションがうまくとれない」と悩む人は相変わらず多いが、最近は最も身近な人とのコミュニケーションに悩むケース、およびコミュニケーションの努力を放棄しておきながら「わかってもらえるはず」と期待して失望する、ネット上のコミュニケーションに多いケースが目立つ。別の問題に見えるこの2つのケースだが根底は同じで、「努力しなくてもわかり合えるはず」という楽観視と、「他者も自分と同じことを考えているはず」という前提がある。他者の思考について考えることをやめる思考停止は、時として自分にも向かい「自己のあけわたし」となる。「他人は自分とは違う存在」というシンプルな事実を再確認し、「この人とコミュニケーションをとりたい」という素朴で強い要求を持つことが重要だ。

 

【感想】

最近同じようなことを考えていたので驚いた。「わかってもらえるはず」って何を根拠に? と思ったが、ネット上で同じような考えの人たちがフォローし合う環境にも一端があるかもしれない。「フォロワー、フォロイーなのだから」という薄いこと極まりない属人的思考で「わかってもらえるはず」「自分と同じことを考えているはず」と「思考停止」に陥るのかもしれない。例えば政治について同じような考えだからフォローしたのであっても、別の問題に対しては別の考えを持っているかもしれない、そういうことに考えが及ばない思考停止は誠に恐ろしい。